最近では「AI(人工知能)」という言葉を耳にしない日はほとんどなく、私たちの生活に身近な存在になりました。
しかし、どのような仕組みでAIが動いているかご存じでしょうか?
本記事では、AIの中でも「画像生成AI」に注目して、その仕組みを簡単に解説したいと思います。
画像生成AIとは
画像生成AIとは、AIを使って新しい画像を自動的に作り出す技術です。
文章や条件を入力すると、それに合った画像をゼロから生成したり、既存の画像を加工したりできます。
「AI(人工知能)」は、人間のように考えたり判断したりできるコンピュータの技術をまとめた呼び方です。
写真の中から顔を見つけるアプリや、自動で車を運転するシステム、文章を作るサービスなど、使われ方はさまざまです。
その一例として、ChatGPTのような会話型AIサービスがあります。
そして、あわせて覚えておきたいのが「AIモデル」です。
AIモデルはAIの中で「考える役」を担っている部分です。*1
ChatGPTで言えば、GPT-5やGPT-4oと呼ばれているのがAIモデルです。
AIモデルは、入力されたデータ(インプット)をもとに、あらかじめ大量のデータから学習したパターンやルールを使い、結果(アウトプット)を出す仕組みのことです。
・AI = 概念、システム・サービス全体(ChatGPTなど)
・AIモデル = その中核となる「学習済みの脳みそ」(GPT-5など)
画像生成AIの仕組み
画像生成AIは、主に以下の流れで動きます。
- 学習フェーズ
大量の画像と説明文(キャプション)をセットで学習し、画像とテキストの関係を理解します。 - 生成フェーズ
ユーザーが入力したテキスト(プロンプト)をもとに、学習データからパターンを組み合わせて新しい画像を作ります。 - 調整・加工
一部だけ修正したり、空白部分を自然に補完したりすることも可能です。
仕組みをもう少し詳しく(クリックで展開)
たとえば、ある画像生成AI*2で新しい画像を生成する場合を例とすると、
まず、「学習フェーズ」で、AI開発者がAIモデルに大量の画像データから「何がどんな形や色をしているか」を学ばせます。
一口に画像生成AIと言っても、同一のインプットに対するアウトプットがAIモデルごとに異なるのは、AIモデルごとに学習内容が異なるからですね。
そして、「生成フェーズ」で、画像生成AIはユーザーから「どんな画像を生成してほしいか」をテキストで受け取り、それをAIモデルのインプットとします*3。
すると、AIモデルが与えられたテキストに基づいて、学習済みのパターンを頼りに、アウトプットとして画像を生成します。
画像を生成するキャンバス上には最初は意味のないノイズ画像があり、画像を何回も更新してノイズを減らし、学習済みのパターンをもとに形や色を少しずつ描き出していきます。
その結果、意味のある画像が作られるといった流れです。
生成後に必要に応じて「調整・加工」を行います。
解像度アップ(アップスケーリング)や部分修正(例えば、キャラクターの表情だけ修正)などが「調整・加工」に該当します。
これは、画像生成AIによって生成した画像を再処理するだけでなく、カメラで撮ったり手動で描いたりした画像に対して行うこともできます。
ところで、「AIは学習データの画像をそのままコピーしている」といった主張をときどき見聞きしますが、これは誤解です。
実際は、学習データを丸ごとあるいは部分的にコピーするわけではなく、パターンや特徴を学習し、それらを組み合わせて新しい画像を生成しています。
画像生成AIの具体例
画像生成AIの具体例を3つ紹介します。
- DALL·E 2
ChatGPTで有名なOpenAIが開発していた画像生成AIサービス。
正確にいうと、DALL·E 2という名前のAIモデルがあり、それが利用できるWebアプリとして提供されていました(現在はサービス終了)。
現在はバージョンアップしてDALL·E 3となったものがChatGPTに統合され、ChatGPT Plus/Enterpriseにおける高度な画像生成オプションとして残っています。
なお、ChatGPTでの標準的な画像生成ではマルチモーダルモデルであるGPT-4oやGPT-5が使われます*4。 - DreamStudio
Stability AIが開発している画像生成AIサービス。
Stability AIは、広く使われているオープンソースの画像生成AIモデルである「Stable Diffusion」の開発元です。 - Midjourney
Discord(オンラインコミュニケーションアプリ)上で簡単に利用できるオンライン画像生成AIサービス。
モデルは非公開で詳細不明です。
注意点
画像生成AIをこれから始める人に注意してほしいことがあります。
- 著作権や商用利用の規約は必ず確認
学習に使われたデータやAI自体の利用規約に基づき、商用利用が制限されている場合があります。
企業の広告や商品パッケージに使用する場合は、ライセンスや規約を確認する必要があります。 - 学習データ由来のバイアスや不正確な表現に注意
学習データに偏り(バイアス)があると、AIは意図せず偏った表現や誤解を招く内容を出力することがあります。
たとえば、ある職業や人種のイメージが固定化された形で描かれることがあります("医師(doctor)" をインプットに含めると白人男性が描かれる傾向がある等)。
そのため、作成した画像は必ず人間がチェックし、必要に応じて補正したり注釈を入れたりするようにしましょう。 - 実在人物やブランドを模倣した画像の利用にはリスクあり
実在の人物や有名ブランドのロゴ、商品デザインをAIで再現すると、肖像権や商標権の問題が発生する場合があります。
例えば、著名人の顔写真をAIで生成して広告に使ったり、人気ブランドのロゴをアレンジして販売することは法的リスクが高くなります。
まとめ
画像生成AIのおかげで、誰でも簡単に高品質な画像が生成できるようになりました。
効果的に使うことでクリエイティブな活動が加速すること間違いなしです。
正しい知識を身につけ、ルールを守って活用しましょう。
